廃棄物処理法の歴史

廃棄物処理法は、市街地における汚物の衛生的な処理と、生活環境を清潔にすることによって公衆衛生の向上を図ることを目的とした「清掃法」が全面的に改正された法律です。
昭和30年代の高度経済成長期には、飛躍的な産業の発展、特に工業の発展に伴って、工場等から有害物質や多量の排水、排ガス、廃棄物が多量に排出されるようになりました。これにより、水俣病やイタイイタイ病等の公害病が深刻化して社会問題となり、旧清掃法では、解決できない事態となりました。
公害対策として、「廃棄物処理法」を含む14の公害関係法が制定または改正され、排出事業者責任の明確化、産業廃棄物の処理体系の確立など、現状に即した整備が行われました。
それ以降、社会の変遷に伴い、幾度となく改正が行われ、現在に至ります。
廃棄物処理法の概要
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何のための法律?
「廃棄物の排出抑制」と「廃棄物の適正処理」、「生活環境を保持することにより、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ること」を目的として昭和45年に制定されました。
「廃棄物の定義」や「処理・保管等の方法」、「責任の所在」「罰則」などについて取り決められ、排出事業者や処理業者はこの法律に則り、事業を進めていかなければなりません。
廃棄物の定義(法第2条第1項)
廃棄物処理法では、「廃棄物」とは、汚物または不要物であって、固形状または液状のもの(放射性物質等を除く)と定義されています。
その中でも、産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のことを指し、20種類に分類されます。
併せて知っておきたい!

廃棄物該当性の判断について

①物の性状 | 利用用途に要求される品質を満足し、かつ飛散、流出、悪臭の発生等の生活環境保全上の支障が発生するおそれのないものであること |
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②排出の状況 | 排出が需要に沿った計画的なものであり、排出前や排出時に適切な保管や品質管理がなされていること |
③通常の取扱いの形態 | 製品としての市場が形成されており、廃棄物として処理されている事例が通常は認められないこと |
④取引価値の有無 | 占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、なおかつ客観的に見て当該取引に経済的合理性があること。 実際の判断に当たっては、名目を問わず処理料金に相当する金品の授受がないこと、当該譲渡価格が競合する製品や運送費等の諸経費を勘案しても双方にとって営利活動として合理的な額であること、当該有償譲渡の相手方以外の者に対する有償譲渡に実績があること等の確認が必要であること |
⑤占有者の意思 | 客観的要素から社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思として、適切に利用し若しくは他社に有償譲渡する意思が認められること、または放置もしくは処分の意思が認められないこと |